自閉傾向の子どもに届く声かけ──否定から肯定へ、“できた”を増やす関わり方

はじめに:「ダメ!」って、実は伝わってないかも?

毎日、子育てや療育に向き合っているママたち、本当にお疲れさまです。

「それ、触っちゃダメ!」
「大声出さないの!」

何度も同じことを言っているのに、また同じことを繰り返す我が子。
「ちゃんと伝わってるのかな…」って、不安になりますよね。

実はね、特に自閉傾向のあるお子さんにとって、
「ダメ」とか「〜しないで」という言葉って、すごく分かりにくいんです。

どうしてかというと、否定文を理解するには、頭の中で
「行動をイメージ → それを”しない”に切り替える」という
二つのステップが必要だから。

たとえば「触らないで」って言われたとき、
子どもの頭の中では、まず「触る」をイメージして、
それから「あ、それをしちゃいけないんだ」って切り替えなきゃいけない。

この切り替えが難しかったり、混乱しちゃう子がいるんですね。

だから「ダメ」だけ言われても、
「じゃあ、何をすればいいの?」がわからなくて、
困ってしまうことがあるんです。


「できた!」が増える魔法の声かけって?

大事なのは、「してはいけないこと」を伝えるんじゃなくて、
「今、何をしたらいいか」を教えてあげること

声かけを否定から肯定に変えるだけで、
子どもは迷わずに動けるようになるんです。

声かけ、こう変えてみて

つい言っちゃう言葉 こう言い換えてみよう
触らない 手はおひざだよ
大声出さない 小さな声でお話ししようね
走らないで ゆっくり歩こうね

「手はおひざ」みたいに、何をすればいいかを具体的に伝えると、
子どもは「あ、こうすればいいんだ!」ってわかりやすくて、
「できた!」の成功体験が増えていくんです。


「危ない」って、言葉だけじゃ伝わらない

「これは危ないよ」って言葉で教えても、
実はそれだけじゃ子どもには響かないこともあります。

「危ない」を自分で判断できる力って、
感じる → 経験する → 判断する
こんなふうに、時間をかけて少しずつ育っていくものなんですよね。

だから、ママにできることは「ダメ!」で止めるだけじゃなくて、
「こうしたら安全だよ」「こうしたら楽しいよ」
具体的に見せてあげること。

そうすることで、子ども自身が「こっちを選ぼう」って
少しずつ判断できるようになっていくんです。


「守りたい」その気持ち、すごくわかります

「この子を守りたい」
「ちゃんと伝えたい」

その思い、すごく大切ですよね。
私も同じママだから、その気持ち、本当によくわかります。

ただね、その思いをもっと伝わる形に変えてみることもできるんです。

否定の言葉を全部やめるのは難しいし、無理しなくていい。
だからこそ、少しずつ言い換えの引き出しを増やしていく感じで。

「守りたい」っていう愛情は何も間違ってない。
ただ、伝え方の選択肢をちょっとずつ増やしてみるだけ。

  • 「触らない」じゃなくて→「手はおひざ」
  • 「走っちゃダメ」じゃなくて→「ゆっくり歩こうね」
  • 「大声出すな」じゃなくて→「小さな声で話そうね」

こんなふうに言葉を変えるだけで、
子どもの反応が変わってくることもあるんですよ。


今日から試してみて。小さな一歩でいいから

  1. 今日の会話で、否定の言葉をひとつだけ肯定に変えてみる
  2. 「やめなさい」じゃなくて、「こうしようね」を添えてみる
  3. 完璧じゃなくていい。少しずつ変えていく自分を褒めてあげて

こんな小さな変化を、ほんの少しずつ積み重ねていくだけで、
子どもの表情や反応も、ちょっとずつ変わってきます。


まとめ

「ダメ!」だけじゃ、子どもは何をすればいいかわからなくて、
不安になったり、混乱しちゃうことがあるんです。

それよりも、「何をすればいいか」を具体的に伝えてあげることで、
子どもは自信を持って動けるようになります。

それに、「危ない」を理解する力は、時間と経験の積み重ねで育つもの。
すぐに完璧を求めなくて大丈夫。
言葉のかけ方を少しずつ変えていくだけで、十分なんです。

子育ては、ひとりでがんばるものじゃないから。
あなたの声かけが少しずつ変われば、お子さんの「できた!」もきっと増えていく。

一緒に、焦らず歩いていきましょうね。

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